医療薬学研究センター

医療現場と密接な連携のもとに、
ほんものの臨床教育をめざして。

センター長
教授 三宅 勝志 

センター長 教授 三宅 勝志

もっと「臨床教育」に特化した大学へ。

2015年、日本薬学会と文部科学省が審議をして「薬学教育モデル・コアカリキュラム」が改訂され、薬剤師として求められる基本的な資質が従来よりも明確になりました。改訂されたいくつかのポイントの中でも、薬学系人材の育成には「臨床教育」が重視されています。 これまでも、臨床現場で優れた適応能力を持つ薬剤師の養成に努めてきましたが、新コアカリキュラムの実施により、本学は今まで以上に「臨床教育」に特化してまいります。 そのために、不可欠なのが医療現場との密接な連携です。病院や薬局などの医療現場と大学では、教員、学生、現職の薬剤師がお互いに教え学び合うような良い協力関係を築いていくことが大切です。大学は医療現場に対しては研修会などを介した情報発信、さらに医療現場からの「活きた」情報の受信などを通して、教員と現職の薬剤師の方々が共に学びあうことで充実した臨床教育を達成できると考えています。今後はもっと教員が医療現場に赴いて、医療現場で働く薬剤師の現状を把握し、学生たちに活きた教育としてフィードバック(還元)していく。 まさに、「百聞は一見に如かず」。医療薬学研究センターは、リアルな現場の声、そこで生まれる相互作用を受け入れる窓口になり、ほんものの臨床教育を行う中枢機関をめざしています。

臨床教育システムの構築を実現するために。

医療薬学研究センターは、臨床薬学教室と医薬品情報学教室、および二つの研究室を統合してセンターを設立しました。 薬の安全な使用方法について、薬効、副作用、飲み合わせなどさまざまな研究を行う「医薬品情報学」。薬物療法や薬物管理に携わる薬剤師を養成する「臨床薬学」。これまで両研究室は、それぞれ臨床教育にかかわる部分で協力してまいりましたが、各研究分野、地域とのかかわりについては各自で活動をしてきました。研究室の方向性を一つにすることで、今まで以上に、医療現場と密に連携した臨床教育システムの構築が可能になるでしょう。

最新の「活きた」情報を教育現場に提供。

日々進歩する医療や医薬品。その目覚ましい動きに対応するためには、医療現場からの「活きた」情報が大切です。学外の薬剤師を招聘した講座の開講や、現場で働く薬剤師から、最新の薬や患者さんへの薬効などの情報を収集しています。 多くの薬の情報の中には、安全で有効な治療を行うために問題となるものも含まれています。効果が弱くなる薬の組み合わせ、有効成分の変化、薬物相互作用などの研究には医療現場の声を聞き、状況を把握できる相互の信頼関係が大切です。最新の「活きた」情報を教育現場に提供することに努め、学生たちに対する臨床教育の質を高めています。

本格的な施設で、ほんものに触れる実務実習。

センター内には本格的な機能性と実務性を備えた無菌調剤室、模擬薬局、模擬病室、医薬品情報室を設置。 特に、12台のクリーンベンチを備えた無菌調剤室は、地域の薬剤師会の研修にも利用されるなど県内屈指の設備です。1年次から実際の病室や薬局を模した施設で実習を重ねることによって、医療現場で求められるほんものの知識・技能・態度を身につけることができます。

学内と学外を結ぶ、地域を繋ぐ窓口に。

医療の高度化・多様化が進み、医療現場は常に変化しています。地域に対しては、幼稚園、小学校、中学校、公民館などを訪問し、手洗いの奨励や薬に関する知識の広報、衛生指導をしています。 また、現職の薬剤師に向けては、学内でセミナーや講習を開催。特にこれから、在宅医療が増えるようになると、フィジカルアセスメント、臨床判断、トリアージ研修、無菌製剤講習など、薬剤師に必要な知識や技能は増えるばかり。 私たちは、常に変化していく医療現場を見据え、薬剤師がこれから必要になる知識や技能を、学生だけではなく現職の薬剤師にも学びの場を提供していきます。医療薬学研究センターを教員、学生、現職の薬剤師、それぞれが情報を交換するオープンな場として、学内と学外を結び医療現場と連携できる窓口として機能させたいと思っています。 さまざまな医療現場で対応できる薬剤師は、これからは地域の医療を照らす大切な人材です。私たちはそんな薬剤師を育てたい。臨床経験の豊富な教員が、地域と連携して最新の情報と時代のニーズを掌握し、ほんものを身につける臨床教育に力を注いでいきます。
  • フィジカルアセスメントセミナー

    フィジカルアセスメントセミナー

    さまざまな病態を人体シミュレーターで体験学修。患者さんの症状の把握して、異常の早期発見をするためのセミナーを開催しています。

  • 無菌製剤講習会

    無菌製剤講習会

    クリーンベンチを使って、無菌製剤の方法を指導。地域の薬剤師会に所属する薬剤師などが参加しています。

  • 臨床判断・トリアージ研修

    臨床判断・トリアージ研修

    発熱、 頭痛、発疹、呼吸困難などの疾患に見られる症状の特徴を解説し、薬剤師に求められる適切な対処方法を学びます。

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