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リハビリテーション学科 理学療法学専攻

2021.5.6

「Cartilage」に金口瑛典助教らの論文掲載が決まりました。

タイトル:The Natural History of Medial Meniscal Tears in the ACL Deficient and ACL Reconstructed Rat Knee

掲載紙:Cartilage

著者:Akinori Kaneguchi, Junya Ozawa, Kengo Minamimoto, Kaoru Yamaoka

論文の概要:膝前十字靭帯(以下、ACL)損傷後に半月板断裂が頻繁に生じることが知られていますが、そのメカニズムはよく分かっていませんでした。また、靱帯再建術は半月板断裂を減少させることができますが、そのメカニズムもよく分かっていませんでした。本研究では、ラットACL切断および再建モデルを用いて、1)ACL損傷後の半月板断裂の過程を明らかにすること、2)靱帯再建術による半月板の保護効果を明らかにすることを目的としました。ACL切断後、4週までに半月板が肥大し、硝子軟骨様の組織が形成されました。12週で、硝子軟骨様組織は骨に置換され、それに並行して隣接部位の断裂が生じました。ACL切断直後に再建術を行うと、半月板のいくらかの肥大や硝子軟骨様組織の形成は観察されましたが、骨形成や断裂は少なくとも12週までは生じませんでした。これらの結果から、1)ACL損傷により生じる関節の不安定性は、半月板の肥大や軟骨内骨化による骨形成を介して断裂を引き起こすこと、2)靱帯再建術により関節の安定性を回復させると、半月板の骨形成が抑制され、結果的に断裂が予防できることが示唆されます。ACL損傷後、再建術を行う適切なタイミングについてコンセンサスは得られていませんが、半月板の断裂を予防するためには早期に行った方が良いと考えられます。

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