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リハビリテーション学科 理学療法学専攻

2022.11.30

「Physiological Research」に金口瑛典助教らの論文掲載が決まりました。

タイトル:The Temporal and Spatial Effects of Reconstructive Surgery on the Atrophy of Hindlimb Muscles in Anterior Cruciate Ligament Transected Rats(前十字靭帯切断されたラットに対する再建術が後肢筋の萎縮に及ぼす時間的・空間的影響)

掲載紙:Physiological Research

著者:Akinori Kaneguchi, Junya Ozawa, Kengo Minamimoto, Kaoru Yamaoka

論文の概要:膝前十字靭帯(以下、ACL)再建後にはしばしば筋萎縮が生じますが、靱帯再建術が筋萎縮に及ぼす時間的・空間的影響は詳細に調べられていませんでした。本研究では、1)再建術が筋萎縮に及ぼす短期・中期的な影響を明らかにすること、2)後肢筋間で萎縮の程度を比較することを目的としました。ラットにACL切断術を行い、その後、靱帯再建術を行った場合と行わなかった場合で1もしくは4週間飼育しました。実験期間終了後、後肢筋の重量を測定することで、筋萎縮を評価しました。術後1週時点では、ACL切断により筋萎縮が生じ、再建術を行うと筋萎縮が重症化しました。術後4週時点では、再建術を行うことで筋萎縮からの回復が再建を行わなかった場合と比較して促進されました。ACL再建後の萎縮は大腿部だけでなく下腿部の筋でも生じ、その程度は、ハムストリングス(半腱様筋)や足関節背屈筋(前脛骨筋、長趾伸筋)と比較して、大腿四頭筋(大腿直筋)や足関節底屈筋(腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋)で重篤でした。本研究の結果は、1)ACL再建術は短期的には筋萎縮を重症化させるが、中期的には筋萎縮からの回復を促進する、2)ACL再建後の筋萎縮は、大腿部だけでなく下腿部でも生じることを示します。そのため、ACL再建後の筋力改善を目的とした介入は、大腿部の筋だけでなく、下腿部の筋に対しても必要であることが示唆されます。

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