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リハビリテーション学科 理学療法学専攻

2023.6.6

「Clinical Biomechanics」に金口瑛典講師らの論文掲載が決まりました。

タイトル:Changes in passive stiffness and length of the semitendinosus muscles in rats with arthritis-induced knee flexion contracture

(関節炎誘導膝屈曲拘縮ラットの半腱様筋における他動的スティフネスと長さの変化)

 

掲載紙:Clinical Biomechanics

 

著者:Akinori Kaneguchi, Kaoru Yamaoka, Junya Ozawa

 

論文の概要:変形性関節症や関節リウマチなどの関節炎後には、しばしば関節拘縮(関節可動域制限)が生じます。この関節拘縮には、関節性拘縮(関節包、滑膜や骨などの関節構成体由来の拘縮)だけでなく、筋性拘縮(関節周囲の骨格筋由来の拘縮)も関与すると考えられています。しかし、関節炎後に生じる筋性拘縮のメカニズムはよく分かっていませんでした。本研究では、ラット関節炎モデルを用いて、筋の硬さ(スティフネス)と長さを測定することで、筋性拘縮のメカニズムを明らかにすることを目的としました。ラットの片側の膝に関節炎を引き起こすために、完全フロイントアジュバント(CFA)を投与しました。反対側の膝には投与は行わず、比較対照として使用しました。投与から1もしくは4週で、関節可動域、半腱様筋のスティフネスと長さを評価しました。投与1週後、CFA投与側では関節拘縮が生じていました。また、CFA投与側の半腱様筋では、スティフネスが増加していた(硬くなっていた)一方で、長さには変化がありませんでした。投与4週後、CFA投与側では関節可動域が部分的に改善し、半腱様筋のスティフネスも反対側と同程度まで回復しました。これらの結果は、関節炎誘導後早期で生じる筋性拘縮は、筋の短縮ではなく、筋のスティフネス増加(つまり、筋が硬くなること)により引き起こされることを示唆します。

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