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リハビリテーション学科 義肢装具学専攻

2021.10.5

パラリンピックを陰で支えた義肢装具士

リハビリテーション学科義肢装具学専攻の月城慶一教授は、東京2020パラリンピック競技大会のオフィシャルサポーター(義肢、装具、車いす、外骨格装置)であるドイツの義肢パーツメーカー・オットーボック社の技術スタッフの一員として、選手村に設置された修理サービスセンターでパラアスリートを支えました。

今大会で7度目の参加となったパラリンピック修理サービスセンターの経験について月城教授にお話を伺いました。

 

 

■これまで参加したパラリンピックと違いは?

大会に関わる運営スタッフの方々の献身的なおもてなしに感動しました。これまで経験した海外での大会に比べ、東京パラリンピックは、選手のみならず、私たち修理スタッフに対しても、快く接していただき、ボランティアスタッフの方々をはじめ、さまざまな人の支えがあった大会だったと実感しています。

また、コロナ禍での開催となり、毎朝、新型コロナウイルスの検査のため、唾液を提出してから出勤していました。

 

■修理サービスセンターはどんなところ?

センターには、世界各国からオットーボック社の修理サービス技術者が集まり、日本からは11人が参加しました。勤務体制は、早番と遅番に分かれ、朝8時から夜11時まで働いています。前回のリオ大会から、選手は修理受付に依頼物を預けて、その後修理サービスセンターに運ばれてくるため、選手と直接接触することはありませんが、どの選手の物かは分かります。運ばれてくるのは、発展途上国と呼ばれる国の選手が使っている物の割合が多い印象です。

 

 

■修理サービスセンターの仕事に感じるやりがいは?

ちょっとした狂いで選手のパフォーマンスや結果に表れてくるため、作業に入るときは「目の前にある物を今できる限り最高の状態にする」ということだけを意識して、メンテナンスしています。周りのスタッフは、世界中の優れた技術者であり、英語でコミュニケーションを取りながら、スタッフ同士も競い合う意識を感じました。修理を担当した選手がメダルを獲得した時は、非常にうれしく思います。

 

■義肢装具士を目指す学生に伝えたいことは?

パラリンピックほどの大規模な大会では、競技中に故障した器具の修理を行うこともあり、状況の分からないまま推測でパーツを準備して現場に向かう事もあります。そんな時こそ、義肢装具士としてのさまざまな現場で培った経験が生きてくると思っています。また、今大会では、かつての教え子と同じ修理スタッフとして働くことができ、頼もしい存在でした。今は、コロナ禍でなかなか実習などが満足のいくようにできていない状況ですが、熱意がチャンスにつながると思って意識して日々を過ごし、色々なことを発見してほしいです。

 

■今後の大会に向けて

素晴らしいスタッフがいて、パラスポーツのトップアスリートが集うパラリンピックで働くことは貴重な経験です。技術力も体力も必要な仕事ですが、スタッフに選んでもらえるよう成長し続けて、可能な限り参加し続けたいと思っています。

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