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リハビリテーション学科 理学療法学専攻

2022.3.23

「The Knee」に金口瑛典助教らの論文掲載が決まりました。

「The Knee」に金口瑛典助教らの論文掲載が決まりました。

タイトル:Bilateral muscle atrophy after anterior cruciate ligament reconstruction in rats: protective effects of anti-inflammatory drug celecoxib

掲載紙:The Knee

著者:Akinori Kaneguchi, Takuya Umehara, Kaoru Yamaoka, Junya Ozawa

 

論文の概要:膝前十字靭帯(以下、ACL)再建後には、両側性の筋萎縮が生じ、筋力低下につながることが知られています。しかし、そのメカニズムや効果的な治療法はよく分かっていません。本研究では、術後の炎症が筋萎縮に関与すると仮説を立て、ラットACL再建後の筋萎縮に対する抗炎症薬の効果を検証しました。ACL再建後、膝伸筋である大腿直筋と膝屈筋である半腱様筋の両方で両側性の筋萎縮(筋線維横断面積の減少)が生じました。筋萎縮の程度は、反対側(非術側)と比較して、術側で重度でした。また、ACL再建後には、関節の腫脹(局所の炎症)と血中のC反応性タンパク(CRP)の上昇傾向(全身性の炎症)

が観察されました。ACL再建後に抗炎症薬であるセレコキシブを投与すると、関節の腫脹やCRPの上昇が抑制され、大腿直筋の両側性の筋萎縮が軽減しました。しかし、セレコキシブ投与により半腱様筋の萎縮は軽減しませんでした。これらの結果は、ACL再建後の全身性の炎症が大腿直筋の両側性の萎縮を引き起こし、局所の炎症が筋萎縮を重症化させた可能性を示唆します。そのため、抗炎症治療はACL再建後の大腿四頭筋の萎縮軽減に有効と思われます。一方で、半腱様筋の萎縮は抗炎症薬により軽減せず、炎症以外の要因の関与が示唆されます。

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