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リハビリテーション学科 理学療法学専攻

2022.7.1

「Physiological Research」に金口瑛典助教らの論文掲載が決まりました。

「Physiological Research」に金口瑛典助教らの論文掲載が決まりました。

タイトル:Inflammation and fibrosis induced by joint remobilization, and relevance to progression of arthrogenic joint contracture: A narrative review(関節の再可動化に誘導される炎症と線維化、関節性拘縮進行との関連:ナラティブレビュー)

掲載紙:Physiological Research

著者:Akinori Kaneguchi, Junya Ozawa

論文の概要:この論文は、関節固定解除後に生じる炎症および線維化に関する総説です。関節固定は、骨折や靭帯損傷後の治療として頻繁に行われますが、その副作用として関節拘縮が生じます。関節固定後の関節拘縮の責任病巣は、筋と関節構成体に大別されます。筋性拘縮(筋による関節拘縮)は、固定解除後に自然回復する一方で、関節性拘縮(関節構成体による関節拘縮)は固定解除後も自然回復せず、悪化することさえあります。関節固定解除後には関節内で炎症が生じ、それに続いて線維化が生じることで関節性拘縮の悪化につながります。関節固定解除後に炎症が生じるメカニズムはよく分かっていませんが、1)関節包への機械的なストレスによる微細な損傷、2)一酸化窒素合成酵素2を介した一酸化窒素産生が炎症の引き金の候補と考えられています。ステロイド系抗炎症や低反応レベルレーザーといった抗炎症治療や細胞増殖阻害剤は、炎症や線維化を軽減することで、固定解除後の関節性拘縮の進行を抑制することができます。一方で、固定解除後早期からの積極的な運動は、炎症や線維化を増幅することで、関節性拘縮を悪化させますが、運動と抗炎症治療を組み合わせることで運動の悪影響は相殺できます。そのため、固定解除後の関節性拘縮の悪化を防ぐためには、炎症や線維化を制御する必要があると考えられます。

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