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リハビリテーション学科 理学療法学専攻

2023.3.6

「Clinical Biomechanics」に金口瑛典助教らの論文が掲載されました。

タイトル:The effects of immobilization duration on joint contracture formation after anterior cruciate ligament reconstruction in rats(ラット前十字靭帯再建術後の関節固定の期間が関節拘縮形成に及ぼす影響)

 

掲載紙:Clinical Biomechanics

 

著者:Akinori Kaneguchi, Junya Ozawa, Kaoru Yamaoka

 

論文の概要:膝前十字靭帯(以下、ACL)再建後には関節拘縮(関節可動域の制限)がしばしば生じ、この関節拘縮形成には筋性要因(腱や筋膜を含む骨格筋の要因)と関節性要因(関節包、靱帯や骨など関節構成体の要因)の両方が関与することが知られています。術後に移植靭帯を保護するために、関節固定が行われることがありますが、様々な期間の関節固定が筋性と関節性の拘縮形成に及ぼす影響は知られていません。そこで本研究では、2もしくは4週間の関節固定が、ACL再建後の関節拘縮形成に及ぼす影響を調査しました。ラットを無処置の対照、関節固定、ACL再建もしくはACL再建+関節固定の4群に分けました。2もしくは4週後、関節可動域と膝関節の組織学的変化を調査しました。ACL再建後に関節固定を行うと、関節固定もしくはACL再建単独よりも筋性と関節性拘縮の両方が重症化しました。また、2週と比較して4週で拘縮が重度でした。組織学的解析では、関節固定やACL再建により関節包の短縮が生じ、ACL再建と関節固定を併用すると、関節包の短縮が促進されることが明らかになりました。本研究の結果は、ACL再建後の関節固定は、たとえ2週間であっても筋性と関節性拘縮の両方を重症化させ、4週間継続すると、これらの拘縮はさらに重症化することを示します。関節性拘縮の重症化には、関節包の短縮が関与していると考えられます。そのため、関節拘縮を重症化させないためには、術後の固定期間は必要最小限にすべきと考えられます。

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