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リハビリテーション学科 理学療法学専攻

2023.3.16

博士後期課程の國木壮大さん(木藤研究室)が若手優秀演題賞(第21回日本電気生理運動学会大会,第9回計測自動制御学会電気生理運動学部会研究会) を受賞しました。

博士後期課程の國木壮大さん(木藤研究室)が,本年3月11日に開催された第21回日本電気生理運動学会大会,第9回計測自動制御学会電気生理運動学部会研究会で,若手優秀演題賞を受賞しました。

 

発表の内容は以下の通りです。

 

発表演題名

Scapular Dyskinesisの神経生理学的機構の解明:僧帽筋下部線維と前鋸筋の運動単位の動員様式と発火特性に着目した研究

 

発表者名

國木壮大、桑原大輔、小西玲依、木藤伸宏

 

内容

肩甲骨の運動異常はScapular Dyskinesis(SD)と呼ばれ、上肢挙上時や下降時に出現し、肩甲上腕関節の正常な運動を妨げる。SDの要因として僧帽筋下部線維や前鋸筋の筋力低下が挙げられる。筋力は動員される運動単位の数やサイズ、発火頻度に依存するが(運動単位の挙動)、SDを有する個人において、僧帽筋下部線維や前鋸筋の運動単位の挙動においてどのような特徴があるのかは不明である。上肢挙上相でSDが生じる者 (挙上時SD群)、下降相のみでSDが生じる者(下降時SD群)、正常な肩甲骨運動を有する者(正常群)を対象に、僧帽筋下部線維と前鋸筋の最大筋力70%収縮時の運動単位の挙動を比較した。その結果、挙上時SD群は僧帽筋下部線維と前鋸筋の運動単位のサイズが小さかった。また、前鋸筋に関しては発火頻度も低かった。しかし下降時SD群は正常群と有意差がなかった。挙上相で生じるSDは僧帽筋下部線維と前鋸筋の運動単位の挙動の変化に起因する可能性があるが、下降相で生じるSDではその傾向はみられず、両者はメカニズムが異なる可能性が示唆された。今後は筋の協調性などその他の要因についても検討し、SDの神経生理学的機構の解明と、治療法の開発に取り組む必要がある。

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