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リハビリテーション学科 理学療法学専攻

2023.7.6

「Connective Tissue Research」に金口瑛典講師らの論文掲載が決まりました。

タイトル:The effects of weight bearing after ACL reconstruction on joint contracture in rats(ラット前十字靭帯再建後の荷重が関節拘縮に及ぼす影響)

掲載紙:Connective Tissue Research

著者:Akinori Kaneguchi, Momoka Hayakawa, Atsuhiro Shimoe, Akira Takahashi, Kaoru Yamaoka, Junya Ozawa

論文の概要:膝前十字靭帯(以下、ACL)再建後にはしばしば関節拘縮が生じ、問題となっています。ACL再建後早期の適切な荷重量は議論の的となっていますが、適切な荷重量についてコンセンサスは得られていません。本研究では、ラットACL再建後早期の荷重量の違いが関節拘縮に及ぼす影響を調査しました。ACL再建後、介入なし(痛みにより荷重量が部分的に減少した状態)で飼育すると、筋性拘縮(骨格筋に由来する関節拘縮)と関節性拘縮(関節包などの関節構成体に由来する関節拘縮)の両方が関与する関節拘縮が生じました。また関節包では、線維化関連遺伝子の増加、関節包の肥厚や短縮に特徴づけられる線維化が生じていました。ACL再建後の免荷は、関節の線維化反応を軽減し、筋性と関節性両方の拘縮を改善しました。ACL再建後にモルヒネ投与を投与し、痛みを軽減することで荷重量を増加させると、筋性拘縮を部分的に軽減しましたが、関節性拘縮は軽減できませんでした。本研究の結果は、痛みの緩和は筋性拘縮の改善に有効である可能性を示唆します。また、ACL再建後早期の免荷は筋性と関節性両方の拘縮軽減に有効であることが示唆されます。しかし、ACL再建後早期の免荷は軟骨変性や筋萎縮を促進するなどの悪影響もあるため、術後に免荷すべきかどうかは総合的に判断する必要があります。

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