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タイトル:高齢心不全患者に対する運動療法は運動耐容能と下肢筋力の改善に有効である –ランダム化比較試験に対するシステマティックレビューとメタアナリシス−
雑誌名:理学療法学
著者:桑原大輔, 梅原拓也, 岡田泰河, 木藤伸宏
概要:
【目的】
これまでに、高齢心不全患者の運動耐容能と下肢筋力の改善に適した運動療法について知見は乏しい。本研究の目的は、高齢心不全患者に対する運動療法が運動 耐容能と下肢筋力の改善に有効か検証することとした。
【方法】
本研究のデザインは 、システマティックレビューとメタアナリシスとした。2023年1月以前の臨床論文か ら、5つの電子データベースより、運動耐容能と下肢筋力に対する運動療法の効果を検証したランダム化比較試験を検索した。
【結果】
8編が対象となった。統合の結果、有意な効果を示したのは、最高酸素摂取量と6分間歩行距離および筋持久力であっ た。有意な効果を示した論文では、慢性期の心不全患者に中強度以上の有酸素運動とレジスタンストレーニングまたはバランス運動による複数の運動療法を実施していた 。
【結論】
高齢心不全患者の運動耐容能の改善には、複数の運動療法を組み合わせることが有効である可能性が示唆された。